ウインブルドン2011 Day02
テニス発祥の地ロンドンはウインブルドン、聖地での戦いが始まりました。遡ること125年前に始まったこの大会の起源は、主催するクラブの資金集めのためだったそうです。
さて、全仏ではフェデラーvsナダルという夢のカードが実現しました。特にフェデラーは今年になって負け知らずのジョコビッチを退けての決勝進出でした。いやがうえにもフェデラー優勝の期待は高まったのですが、さすがクレーの王者ナダルは、赤土の勝ち方を熟知していました。
赤土から芝のコートに移っても、下馬評ではやはりナダルの優位は動かないところです。
現在の男子シングルスの構図は、トップグループにナダル、ジョコビッチ、フェデラーがいて、ちょっと離れてマレー。その下にソダリング、ベルディヒあたりが続いているという形です。全仏のベスト4がランキングそのままというのは、まさに現在の力関係を示しています。
今回のウインブルドンでも全仏同様シード順のナダル、ジョコビッチ、フェデラー、マレーがベスト4に残る確率が高いといえます。ですから、決勝のカードを占うのはとても簡単です。ナダルvsジョコビッチになるか、ナダルvsフェデラーになるかの違いだけです。この二つの組み合わせで確率9割以上ではないでしょうか。
フェデラーファンとしてはもちろん決勝でナダルを負かして7度目のタイトルを獲らせて上げたいと思ってます。そしてもちろんその確率は全仏よりも高いと思います。ただフェデラーの優勝ということを考えると、準決勝で好調のジョコビッチに勝たなければなりません。確かにジョコビッチは芝の実績には欠けるのですが、ここまでの好調をみると決して侮れません。もしナダルとジョコビッチの対戦なら、今の調子ではジョコビッチに軍配が上がるような気がするのです。
このクラスのプロの対戦では、その日の調子と相性で決まるように思います。ここでは何度も書いていますが、フェデラーとナダルでは、6:4でナダル有利です。ナダルとジョコビッチは互角で、フェデラーとジョコビッチだと若干フェデラー優位となります。
もうひとつはサーフィスの得意、不得意ですが、近年この三人に関してはほとんど不得意とするサーフィスは見当たりません。つまり相対的な評価だけです。
芝、特にウインブルドンの芝なら、はやりフェデラー、ナダル、ジョコビッチの順でしょう。しかしご存知の通り、芝は大会期間中にどんどん剥げていきます。場所によってはクレー状態です。最後の試合であるセンターコートの男子決勝戦では、エンドライン付近に芝などありません。
ということで、客観的に見れば優勝候補ナンバーワンはやっぱりナダルで、決勝戦はフェデラーとナダルというのが堅いところではないでしょうか。
そして女子シングルスです。全仏では中国のリーがまさかの優勝を果たしました。誰が勝ってもおかしくない現在の女子プロの世界ですから、もちろん今回のウインブルドンも誰が勝つかわかりません。
全仏と今回の違いは、ウイリアムズ姉妹がいることです。もちろんどこまで調子が戻っているかはわかりませんが、体力と気力さえあれば、この二人は大本命です。しかし2週間、7試合を勝ち抜く体力と気力がまだあるのか? それより、ダブルスはどうするのかな?
日本人選手では、早々と錦織くんも森田さんも消えてしまいました。錦織くんの初戦の相手はヒューイット。今なら全然勝てる相手でしたけどね。でも、錦織くんはまだまだ先が愉しみです。
頑張っているのは伊達さんです。15年ぶりの勝利とか。今回のウインブルドン出場選手の中では最年長らしい。もはやレジェンドの仲間入りなのに本戦出場して、格下相手とはいえ勝ってしまう。おじさん、おばさんの鑑ですね。特におばさんには見習うとこいっぱいあります。
2回戦の相手がヴィーナス・ウイリアムズ、お姉ちゃんのほうです。本人も云っているように、ほとんど勝ち目ありません。しかし1セットぐらい獲るかもしれません。
このブログは表題の通り、おじさん、おばさんの中高年プレイヤーがもっとうまくなるためのものです。このブログを読んで、もっと上手くなるようになっていただければと思って書いていますが、このブログを書きながら自分でももっとうまくなりたいというのが本音です。だから、こういうプロのトーナメントを観ていても常に自分のプレイに参考になることを考えています。
おじさん、おばさんプレイヤーの多くはダブルスが主体です。だから、シングルスの試合、特にプロのシングルスの試合は何の参考にもならないとおっしゃる方が時々います。
仲間内の限られたメンバーだけで愉しんでいらっしゃる方はそれでもいいでしょう。いえ、もはや自分のプレイの質の向上を目指さないのであれば、プロの試合を観て得るものなどありません。しかし、いくつになっても自分のプレイを向上させたいと思ったら、プロのそれもトップレベルの選手のプレイほど参考になるものはないのです。
ガオラで月に一回、昔のグランドスラム大会の試合を放送しています。マッケンローvsボルグとか、ラフターvsレンドルとか、その当時はもちろん最高レベルの試合ですが、今観るとかなり色褪せて感じますよね。それではその色褪せて見える理由はなんでしょうか。
球のスピードなんです。サーブのスピードやラリーのスピードの違いなんです。
これは素人さんやおじさん、おばさんのレベルでも同じです。だから、上手くなるというのは、どんなレベルの人でも球のスピードを上げる、速いスピードに対応できる力をつけていくことに尽きるのです。
速いサービスを打つと、ノータッチエースで決まらない限り、倍のスピードで返ってくることを予期しておかなければなりません。リターンエースはサービスエースになるくらいの速いサーブの時のほうが確率は高いのです。
皆さんもご経験があるでしょう。パートナーのサーブが速くて、前衛の自分がその返ってくる球についていけないこと。
シングルス以上にダブルスはサーブとリターンでほぼ決まります。ですから、ダブルスの練習は、そのほとんどの時間をサービスとリターン練習に当てれば十分なのですが、ほとんどの人がストロークラリー、好きですよね。
その辺の話は、まだウインブルドン始まったばかりなので、フェデラーが勝ち続けている限り書いていこうと思います。乞うご期待。
federer命
フレンチオープン2011 Final
ジョコビッチの連勝記録をストップさせたのは、やっぱりフェデラーでした。そのフェデラー、決勝戦ではナダルに敗れてしまいましたが、まだまだやれるというところを見せてくれました。
まず最初に、フェデラーがジョコビッチに何故勝てたのか? 勝因を考えてみましょう。
前日にも書きましたが、調子も相性も今は、両者五分五分でした。ジョコビッチのマイナスポイントとしては試合間隔が空き過ぎたというのはありますが、十分休めた、というプラスポイントととも考えられます。
それでは、勝負を分けたのは何だったんでしょうか。
この一ポイントという時の集中力です。0-40になった時は、ブレイクされるより、ブレイクできなかったほうのダメージのほうが格段と高いものです。チャンスの後のピンチあり、ピンチの後には必ずチャンスがあります。0-40にしたリターナーは、絶対にブレイクしなければいけないのです。
フェデラーvsジョコビッチでフェデラーが勝てたのは、ことごとく「この一ポイント」をものにできたからです。
同じことがフェデラーvsナダルにもいえます。フェデラーは1セット目の途中で、鼠頸部(内股)に違和感を覚えたようだ、という情報もありますが、1セット目を5-2からひっくり返されたのが全てです。
フェデラー、ナダル、ジョコビッチのクラスの試合では、めまぐるしく流れが変わる時と、均衡している時というようにまず一方的な試合の流れというものはありません。つまり、彼らは試合の流れを掴むのがすこぶる上手いからです。上手いからこそ上位にいられるし、格下の相手には決して負けません。
プロのように、技術的や体力的にほとんど差がない者同士の戦いでは、メンタルな要素でほとんど試合は決まります。特に対戦競技の場合は、相手との相性も大きな要素です。
素人同士の試合でも、上手い下手ではなく、どうもやりにくい相手というのはあるものです。
フェデラーとナダルでみると、明らかにフェデラーはナダルに苦手意識があります。特にそれはクレーでの試合に顕著です。ナダルにはどこに打っても返されるという感じがあるのではないでしょうか。
アドコートからのサーブでサウスポーのワイドにキレる球で振って、やっと返した球を逆サイドのコーナーぎりぎりに打ちこんでも、ナダルはその球をエースで返すのです。そんなシーンを何度も経験すれば、そんな相手とやりたくなくなるのが自然です。
フェデラーの全盛期でさえ、クレーでは、ナダルに歯が立ちませんでした。フェデラーは決してクレーを苦手にしているわけではありません。はっきり云って、クレーのナダルが大の苦手なのです。
もちろんフェデラーもその苦手なナダルをただ漫然と見過ごしていたわけではありません。フェデラーは研究熱心なプレイヤーです。
アタッカーであるフェデラーがカウンターパンチャーのナダルに勝つ方法は一つです。ナダルをアタッカーに仕立てることです。だから、フェデラーは3セットマッチの試合ではナダルに勝つことができます。しかし5セットマッチとなるとその可能性は減ってしまいます。現実に、フェデラーは5セットマッチの全仏ではナダルに勝ったことがないのです。
このままフェデラーは、ナダル、ジョコビッチ、ひいてはデルポトロなどのもっと若い世代にどんどん追い越されていくのでしょうか?
ランキング1位の在位記録は、サンプラスをもう抜くことはできないのでしょうか?
フェデラーは今年8月の誕生日に三十路を迎えます。以前から2012年のロンドンオリンピックまでは続けると云っています。記録男のフェデラーも、まだオリンピックの金メダルは獲っていません。(ダブルスでは北京で金メダル獲りましたが)
わたしはもちろんフェデラーファンですが、フェデラーがフェデラーたり得たのは、ナダルが居たお陰だと思います。長く現役を続けるためには必ずライバルが必要なのです。フェデラーにとってのナダル、ナダルにとってのフェデラーはお互いによき好敵手なのです。
フェデラーよりナダルのほうがひょっとしたら選手生命は短いのかもしれません。ナダルのスタイルは身体能力に負うところが大きいのです。ナダルのパフォーマンスを続けるためには身体を磨き続けなければならないのです。
さて、2週間後には芝のウインブルドンが始まります。3強(ナダル、ジョコビッチ、フェデラー)+αの勢力図に変化はありません。マレーは地元だけにプレッシャーが凄いから、ちょっと可哀そうですね。
全仏と同じ、ベスト4の対決になるのでしょうか。フェデラーはまた芝の王者として復活を遂げるのでしょうか。ジョコビッチは芝ではどういう試合を見せてくれるのでしょうか。
federer命
フレンチオープン2011 Day11
世の中政治が動きだしちゃって、テニスどころではないんだけど、勝手な云い方をすれば、政治が勝手に動き出したんだから、世の中がそれに迎合することはないって考え方もあるよね。
ローランギャロスで毎日戦ってる選手にとっては日本のそんな政治状況は頭の片隅にもないんだろうな。
ナダル、強かったですね。もちろんマレーも頑張ったけど、チェラとソダーリンを比べちゃいけません。
ということで、今年のフレンチ、ベスト4はシードの1番から4番が出揃った。順当なら、ナダルvsジョコビッチの決勝戦だけど、そこにフェデラーが待ったをかけられるか? 男子シングルス準決勝の見所はもちろんフェデラーvsジョコビッチ。ナダルvsマレーがつまらないといっているのではありませんよ。フェデラーファンなもんですから。
男子は1-4番シードの準決ですが、女子は一人も1-4シードが残りませんでした。誰が勝ってもおかしくないのですが、強いな、と思えるのが、シャラポアです。スキアボーネもリーもバルトリも、闘魂って感じで、観てて疲れるタイプです。シャラポアも闘魂タイプではあるけど、あの美貌なんで、優雅さがあるんですね。今回シャラポアがいいのは、やっぱりサーブですか。課題のサーブがやっと納得いけるレベルにきたので、今回は本当にチャンスでしょう。これで全仏制すれば、グランドスラマーですからね。
今夜はメディアは不信任案が可決しようがしまいが、政局だらけでしょうから、WOWOWで全仏観戦なんていうのが、粋というものではないでしょうか。
はい、最後に上の画像に写っているダブルスのペアは誰と誰?
当たっても何の景品もありませんが。答えは明日。
federer命
フレンチオープン2011 Day10
ナダル、ジョコビッチ、フェデラーの3強からここのところ水をあけられていたアンディ・マレー。トロイッキに2セット先行されながらもどうにか逆転して望みを繋いでのベスト8。
フェデラーは初戦のロペスとの対戦でリズムを掴んでからは、ここまで順調に勝ち進んできた。ヴァブリンカやモンフィスはよく練習をする仲だからやり慣れている。ご存知の通り、フェデラーは初物とサウスポーとカウンターパンチャーに弱い。ポロっと取りこぼすのは、だいたいこの3つのタイプのどれかだ。
さて、フェデラーvsジョコビッチ。どちらも調子はいい。どちらが勝つかは時の運だろうか。時の運でしか勝負がつかないぐらいに両者の力は拮抗している。
そしてナダルはソダーリングと今日ベスト4を賭けての一戦である。ナダルも結構お疲れのはずである。縺れたらソダーリングに分があると思うのだが。
女子はスキアボーネのおばちゃんがパワーのパヴリュチャンコワをねじ伏せたね。ちょっと早いけど、シャラポアvsスキアボーネの決勝でしょうか?
federer命
フレンチオープン2011 Day8
ご無沙汰です。最後は全豪の決勝戦でした。ジョコビッチとマレーの対決は一つ年上のジョコビッチに軍配が上がりました。そしてそのジョコビッチ、ここまで負けてません。連勝記録を伸ばしてます。このままフレンチも制すると、連勝記録を塗り替え、ナダルを超えて念願のランキングトップの座に躍り出ます。
ジョコビッチ、どうしてそんなに強くなったんでしょうか?前回の全豪で優勝した時にも多少の分析はしました。フィジカルとメンタルが強くなったことです。これは誰もが指摘することで、とくにプロの戦いはその日の体調と対戦相手との相性、そしてメンタルタフネスの違いで決まります。
このブログでは何度も書いていますが、グランドスラムイベントは、誰もが7回勝たないと頂点には昇りつきません。2週間で7回ということは、男子なら、二日に一度は5セットマッチの試合を勝ち上がらなければならないのです。
以前のジョコビッチは体力的に弱い印象がありました。粘りがないというのか、だから体力が続かなくなるとメンタル面でもキレやすかった。
ところが今のジョコビッチは自信満々です。マッチポイントを握られても、負けるはずがないという気迫が漂ってます。41連勝した頃のフェデラーと同じで、たぶん本人は負ける気がしないのでしょう。長い「ゾーン」の状態、英語なら「フロー」ですか、に入っているのかもしれません。
驚いたのは、あまり得意じゃなかったクレーでもナダルに負けなかったことです。
ここまで来ると、誰がジョコビッチの連勝をストップさせるのか?というところに関心が移ります。準決勝でのフェデラーと、フェデラーに勝てばナダルとの勝負がもちろん今回の山場なんですけど、ナダルは苦手のソダーリングと準決勝で対戦しますから、ひょっとすると決勝にナダルはいないかもしれません。
フェデラーファンとしては、準決勝でフェデラーがジョコビッチを破って、決勝の相手はソダーリングで、フェデラーが優勝するという展開を考えているのですが。
さて、そのフェデラー、今回調子いいです。上に描いた予想図は決して妄想ではありません。準々決勝でフェデラーとジョコビッチがどれだけ体力を温存できるか?にかかっています。
女子は大荒れです。ウオズニアッキ、クライステルス、そして第3シードのズボナレワまでが2週目に残れませんでした。優勝争いは渾沌としてきましたが、シャラポアの可能性が出てきました。しばらく優勝から遠ざかってましたが、全仏の前哨戦で勝ちましたから、その勢いがあります。上位総崩れですから、チャンスです。
もう一人のロシアのマリア、キリレンコも頑張ってますが、よく見るとドローがよかったんですね。
さあ、後一週間、愉しみましょう。
federer命
オーストラリアンオープン2011 Day14
男子シングルスの23歳対決はジョコビッチが圧勝しました。
しかしジョコビッチ強くなりました。昨年のATPツアー最終戦はナダルとフェデラーに負けましたが、今回はどこから見ても実力でもぎ取った優勝に見えます。
それではジョコビッチの何が変わったのでしょうか。
プロの場合、技術的な要素の違いはほとんどありません。ジョコビッチとマレーで、どちらが技術的に優れているかなど考える人はいないでしょう。こと技術的でいえば、錦織くんとジョコビッチにもとりわけて差異などありません。
以前のジョコビッチは体力的な問題がありました。それはメンタルな部分も含んでいます。フィジカルな体力とメンタルタフネスはもちろん繋がっています。
ナダルのように膝に爆弾を抱えていてはどんなに頑張っても精神力でカバーすることは出来なくなる時が出てきます。
ジョコビッチは間違いなく、この体力が現在絶好調なのでしょう。もちろん6試合を戦ってきましたから疲れはあるでしょうが、それは相手も同じです。
ジョコビッチの試合運びを観ていてフェデラーとの時もマレーとの時も、自信に充ち溢れているように感じられました。
「今、おれが負けるはずがない。」
という自信です。その自信のオーラが相手の選手を圧倒しているのです。
テニスは予測と反応のスポーツです。より早く相手のショットを予測できれば、より速く反応できるのです。
男子プロテニスの世界は、これからアメリカでハードコートの試合が続き、その後、ヨーロッパでのクレイシーズンに突入します。そのクレイシーズンのメインエベントが、ローランギャロスでの全仏オープンです。
その全仏が終わると、短い『芝』コートの季節が来て、聖地ウインブルドンの終わりで夏を迎えます。
ATPのトップを走るナダルはたぶんクレイシーズンまで怪我の治療に専念することでしょう。これは昨年と同じです。
ランキングの一位復活を目指すフェデラーにとっても、ナダルが復帰するクレイシーズンからが勝負時となります。
ナダル、フェデラー、ジョコビッチ、マレーといういわゆる4強がこれからも男子プロテニスにあることは間違いありませんが、もうひとつの世代的な色分けもはっきりしてくるでしょう。
世代的には、すでにフェデラー、ソダリング、ロディックあたりは大ベテランに属します。
残念ながら、もうヒューイットはベスト10に入るのはむずかしいでしょう。フェデラーの同期生、ナルバンディアンも同じです。伊達さんのように、一発大物食いの力はありますが、そのパワーを、少なくともグランドスラムイベントのように2週間持続させることはできません。
ナダル、ジョコビッチ、マレーの世代がこれからは中心になっていくのでしょうが、その後ろの、デルポトロや今回活躍したドルゴプロフ、そして錦織圭もまた彼らを脅かす存在にならなければなりません。
フェデラーファンとしては、フェデラーがいつまでも一線でプレイを続けて欲しいのですが、フェデラーといえども間違いなく歳を重ねていきますから、いつかはその舞台を降りる日が来るでしょう。
かつてピート・サンプラスがウインブルドンの4回戦でフェデラーにフルセットで負けた時に引退を考えたといわれています。
フェデラーに『引退』という引導を渡す選手は誰なのか。
フェデラーは以前から2012年のロンドンオリンピックまでは続けると言っています。フェデラーが4大大会に一年の中で取れなかった時。
女子プロの話に移りましょう。女子シングルスの優勝は、予想通り、クライステルスがモノにしました。結果的にはランアッパーのリーもクライステルスも年齢的には決して若くはありません。
若手のホープ、ウオズニアッキは今回も勝てませんでした。
女子にとっては2週間、ベストな体調を維持することは本当に至難の業だということがよくわかります。フィジカルな部分もメンタルの部分もそれはそれは大変なんでしょうね。
エナンが再度の引退を表明しました。戻ってはみたが、やっぱりツアー生活は辛かったんでしょうね。クライステルスのような「家族の支え」がないと。
男子ダブルスはブライアンブラザースが連覇です。今回のツインズは強かったですね。
「グリップ」についての話は明日にしましょう。ジョコビッチのグリップを参考にして。
つづく
federer命
オーストラリアンオープン2011 Day13
昨日途中までお伝えした女子ダブルスの決勝戦。キリレンコ、アザレンカ組はあれから逆転を許し、最終セットは意気消沈で、あっけなく負けてしまいました。が、準優勝です。おめでとさん。
男子シングルス、もうひとつの準決勝、マレーvsフェレールはフェレール健闘しましたが、2回のタイブレイクを取ったマレーが昨年に続いての決勝進出です。
フェデラー負けちゃいましたから、勝敗はどうでもいいので、今日は「グリップ」について書いてみましょう。
最近のテニスで何が変わったかといって一番の変化はたぶん『グリップ』ではないでしょうか。
どう変わったのか。
一言で言えば、「厚く」なりました。
テニスをやったことのない人にとっては、厚いだ、薄いだ、といわれても何だかわからないでしょうが、長年嗜まれているおじさん、おばさんにはおわかりのことと思います。
「厚い」という言葉は文法的に言いますと、形容詞です。用法でいえば、ある物質なり、状態を比較したものです。
今回のグリップでいえば、
「以前のフォアハンドを打つ時のラケットの握りと比べて、現代は『厚い』」ということです。
今回のオーストラリアオープンに出場したプロ連中のフォアハンドのグリップを見てください。
もちろん人それぞれですが、自分と比べてどうでしょうか。
まさか、
「おれの方が、厚い」
なんておじさん、おばさんはいないですよね。
もちろんこのブログの読者がおじさん、おばさんだけというわけではいでしょうから、
「おれのほうが厚い、わたしのほうが厚い」
という坊ちゃん、お嬢さんはいるでしょう。そういうお坊ちゃん、お嬢さまは、この所は流してください。
さて現代テニスは一様にフォアハンドに関しては「厚い」グリップなのですが、もちろんそうなったのには理由があります。
厚いグリップの方がより確実で威力のある球が打てるからです。
それでは何故、以前は「厚い」グリップではなかったのでしょうか。
今の打ち方ができるのは、まさにラケットという道具が進歩したからです。
簡単に言ってしまえば、昔のラケット(少なくともおじさん、おばさんたちが学生なり、社会人で硬式テニスを始めた頃)では、そんな厚いグリップでフォアを打つことはできなかったのです。いや、今なら昔のラケットででもやれるでしょうが、そもそもテニスのファオはそんなに厚いグリップで回転を掛けるというスタイルではなかったのです。
テニスという競技は、ネットを挟んで、ラケットを使って、相手のコートにワンバウンド以内で返すのがルールです。ワンバウンド以内でお互いがコート内に返している限りは永遠にラリーが続きます。そのラリーが途切れた時点でポイントが発生します。そのポイントの取り合いがテニスというゲームです。
相手が取りきれない場所に打つ。相手が取りきれない強い球を打つ。つまりボールをいかにコントロールよく相手の取りにくい球を打ちかが勝負の分かれ目です。
テニスのルールは非常に単純なのですが、テニスはラケットという道具を使うスポーツです。ラケットな張ってあるガットに球を当てて、ボールのコントロールをします。つまり、テニスには、まずラケットを自由自在に操る練習をしなければいけません。
このラケットを使うことが前提となるスポーツは同じ球技の中でも、それこそサッカー、バスケットボール、バレーボールなどと違い、ラケットスポーツと言われています。
テニスの他にはバドミントンや卓球が思いつくでしょう。
テニスの進歩はまさにラケットの進歩といえます。ラケットの進歩、進化によってそのスタイルもどんどん進歩、進化してきたからです。
つまり現代のテニスラケットなら、以前より厚いグリップのほうがより精度が高く強力な球が打てるということです。
ラケットの進化で「厚いグリップ」で打つフォアを強打して、なおかつコントロールできるようになりましたが、それはプロを始めとするレベルの高いところの話です。
しかしラケットの進化はそうしたプロやレベルの高い人だけではなく、おじさんやおばさんを初めとするいわゆる素人さんでもそれなりに質の高い球が打てるようになりました。しかしそうしたラケットはもちろんフォアで厚いグリップにする必要はありません。
つづく
federer命
オーストラリアオープン2011 Day12
本日、全豪関連はこのブログでは最終日です。
まだ、男女共決勝が終わってないじゃないの。と思われるでしょうが、このブログをご贔屓にしてくださる方ならおわかりだと思います。
そうです。フェデラーが昨日の準決勝でジョコビッチに敗れたからです。それも完敗。まあ、完敗なのは関係ないですけど。
フェデラーも試合後に言ってたように、「ジョコビッチが強かった。」
テニスは対戦型のスポーツです。いくら自分が調子がよくても、相手がそれよりもっと調子がよければ勝てません。
フェデラーも決して悪くはなかった。しかしジョコビッチはフェデラーを圧倒する力を、少なくとも今回は持っていた。
さて、女子シングルスはシード一番のウオズニアッキがリーに負けましたので、決勝はシード2位のズボナレワに勝った、キム・クライステルスで決まりでしょう。これは予測が当たりましたね。って、まだ終わってないか。
そして、そして、女子ダブルスの決勝が現在、ロッドレイバーアリーナで行われていますが、シード12番のキリレンコ、アザレンカペアが一セット目を6-2で取りました。頑張れキリレンコ。
さて、明日からはおじさん、おばさんがもっとじょうずになるためのヒントを書いていきたいと思います。
federer命
オーストラリアンオープン2011 Day11
ナダルvsフェレールの同朋対決。まさかのナダル敗退です。結果的に見れば、ナダルはやっぱり左膝に爆弾を抱えていたのです。でも、途中リタイアしないところがナダルの誠実さでしょうか。これでナダル、モンテカルロからのクレーシーズンまでお休みでしょうね。
男子シングルスの準決勝はシード2番のフェデラーと3番のジョコビッチの順当な組み合わせです。
昨日も書きましたが、ジョコビッチもすこぶる調子がいい。それと本当に粘り強くなった。
そして、女子シングルスのセミファイナルは、これもシード2番、3番の順当対決、ズボナレワvsクライステルスと1番、9番のウオズニアッキvsリー。
女子も4番シードのヴィーナス・ウイリアムスが怪我で途中リタイアした以外はまあシード通りでしょうか。
男子ダブルスではブライアン・ブラザースがセミファイナルで圧勝して、決勝一番乗りです。もうひとつのセミは、シード2番、3番の戦いですから、これ、ちょっと観たいですね。
この男子ダブルスのシード3番は、ダブルスのエクスパート、ブパシとパエスのインドペアなんですけど、今まで、デビスカップ以外はほとんど組んでなかった。仲が悪いなんて噂もありましたが、仲直りしたんですかね。
女子ダブルスはキリレンコとアザレンカのペアが台風の目です。おとといの試合で、シード2番のスレボトニク、ペシュケペアに圧勝して、決勝進出しちゃいました。
決勝はシード1番のドゥルコ、ペンネッタペアとの対戦になります。キリレンコ頑張れ。
ミックスダブルスは今日で準々決勝が終わるのですが、おもしろい対戦があります。
男子ダブルスの準決勝戦で、ブパシとナスターは今日対戦するのですが、ミックスダブルスでも今日対戦するんです。
最近はダブルスとシングルスでは上位選手はダブルエントリーが減りましたね。もちろんウイシアムスシスターズは別格ですけど。そのウイリアムスシスターズもさすがに最近はお歳を召してきましたからシングルス、ダブルス、混合ダブルスの三冠なんていう選手はもう出てこないかもしれません。
さて車椅子の男子は、国枝信吾選手がシングルスもダブルスも一時期のフェデラーのような強さですね。
federer命
オーストラリアンオープン2011 Day10
昨日の男女シングルス準々決勝は結局、シード順通りの勝ち上がりになった。
女子ではリーとウオズニアッキ、男子はフェデラーとジョコビッチである。
そして本日9日目は、残りの4人づつが生き残りの戦いに挑む。
現在、ロッドレイバーアリーナでは、シード2番のズボナレワvsチェコのクヴィトワ戦が行われている。ズボナレワの圧勝で終わりそうだが、これも下駄を履くまでわからない。
昨日のウオズニアッキとスキアボーネの試合も流れが行ったり来たりで最後まで読めなかった。
ジョコビッチとベルディヒの試合はもっと縺れるかと思ったけど、結構あっさりしたスコアでした。
ジョコビッチが粘っこくなりました。
レジェンドに出場しているビランデルが「決勝はフェデラーvsナダルを見たい」って発言したって書いてあった。
マッツ・ビランデルは全豪は3回勝っていて、全米、全仏も制してますが、どういうわけかウインブルドンでは優勝できなかった。しかしビランデルの最盛期というのは、まだマッケンロー、コナーズが健在で、そこにエドベリ、レンドル、ベッカーが登場した時代です。われわれ世代でも、好きなプレイヤーは分かれます。
テニスがどちらかといえばお嬢様のお遊びからパワーテニスに変わったのは、ロッド・レイバー、ジョン・ニューカム、ケン・ローズウォールといったオーストラリアンテニスからコナーズ、マッケンローのアメリカンテニスへの移行がひとつのエポックではないかと思います。
そのトランジッションの中にボルグを置くとわかりやすいような気がしますね。
話は戻ります。
「決勝はフェデラーvsナダルを見たい」
というのはたぶん大多数の意見なのでしょうが、ジョコビッチはいい気持しないでしょうね。ファイトを燃やすかもしれない。
事実ジョコビッチ、かなり調子がいい。フェデラーvsジョコビッチはかなりの接戦が予想されます。まあ、愉しみ。
さてもうひとつの矢倉のベスト8の激突は、ナダルvsフェレールの同朋対決。正直、フェレールがここまで来るとは予想してませんでした。あの小さい身体でよくやります。日本人の若手にはもっとも参考になるスタイルでしょうね。
もうひとつのマレーvsドルゴは、ひょっとするとひょっとしますね。フェデラーvsナダルを見る前にナダルvsドルゴも観てみたい。
ズボナレワが準決勝進出を決めました。次の試合は、がちがちの優勝候補、キム・クライステルスの登場です。相手はシード12番、ポーランドのラドワンスカ。
federer命